souxouquit’s blog

オヤジロッカー souxouquit の蹴音映書網業泉食考♪

Angkor Wat

ここを観ないと死ねない、そう思っていた。念願の訪問である。

地雷を踏んだらサヨウナラ」と決死の覚悟で撮影に赴いた一ノ瀬泰造は、ジャングルの中に忽然と佇むこの寺院を観て、おそらく息を飲んだに違いない。
もちろん16世紀に最初に発見したポルトガル人もそうであろう。
いつまでも見飽きない完璧な美しさ、というのはこのことである。

神話と歴史を表した第一回廊のレリーフは、その精緻さと繰り返される描写の迫力と規模に圧倒される。
ナーガを引っ張る阿修羅と神々。
他にも、お団子頭でヒゲの中国人、チャンパ(ベトナム)人、シャム(タイ)人との戦いの生々しく描写など。閻魔大王地獄の門で裁きをしてたり、王様の行列やら庶民の暮らしやら、つぶさに第一回廊を巡っているだけで一日使ってしまいそうな、壮大な絵巻である。


ところで、カンボジア人の誇りはかなりのもので、レリーフを解説するロムヨールさんも思わず力がこもる。
曰く、サイゴン(現ホーチミンシティ)やタイのほとんどの国土は元はクメール帝国のものだったし、タイ舞踊もムエタイ(タイ式キックボクシング)もルーツはカンボジアだと。
まあその通りだと思うが、栄枯を極めたクメールの文化と誇りは、ポルポトの蛮行によって地に堕ちてしまった。現に、クメールルージュは最後はここに立て籠って抵抗し、遺跡の破壊を加速した。カンボジアとは何と数奇な国なんだろう。まあそのことは改めて書くとするが。

急な階段を上がった第3回廊から見上げるとうもろこしのてっぺんは、65mの高さを誇り、紺碧の空に突き出ていた。
ため息が出る。

アンコールワットの内側から、外堀に沈む夕日を西に望む。
素晴らしい遺跡を堪能した一日を締めくくる、静かでゆったりと流れる時間。