souxouquit’s blog

オヤジロッカー souxouquit の蹴音映書網業泉食考♪

沈まぬ太陽

以前にも触れたが、実際に観る機会を逸していた映画を初めて観た。
JALの安全軽視を告発する、という皮はかぶっているが、何だこれはもっと端的で、どこにでもある人生の物語ではないか。
大企業の内部論理に浸ってこの世の春を謳歌している群像と、ケニアの大地で見る太陽に悠久を感じる個人の対比、それこそを山崎豊子が「沈まぬ太陽」と言ったのだ。


モデルである小倉寛太郎駒場祭の講演で、実際にいいこと言ってる。
何だか、肩書きコンプレックスから開放されたと思った途端に信頼を裏切られた昨今の俺を見透かしているかのような慧眼である。

世の中にいろんな肩書きがありますね、何とか会社の取り締まり課長だとか、総理大臣とか、そういう団体の肩書きは、自分の本来のものだと思わない、結婚式の時の借衣装だと思った方がいい。その時は着ているけど、時期がきたら脱いで返すんです。それが解らないのがね、しつこく天下りするんです。
権力者の言うことを鵜呑みにするな。会社に入ったら愛社心を説く先輩がいますよ。たいていの場合に愛社心を説くものほど愛社心がない(笑)。戦争中でもそう。今から思うと、愛国心を熱心に説くものほど、その人の愛国心がない馬脚があらわれている。五味川順平さんの『戦争と人間』の中で「人間は、一見、もっともらしいことをいうやつをすぐ信じちゃダメだよ」という一節があります。要するに、偉そうに愛社心とか愛国心とかいうのには眉に唾をつけた方がいいということです。

映画としては賛否あるし、JALの体質を暴くと言う点では甘さもあるが、山崎豊子小倉寛太郎という人間の魅力にとり憑かれて書き上げたことだけは確かなようだ。