souxouquit’s blog

オヤジロッカー souxouquit の蹴音映書網業泉食考♪

マグリット展

本格的な回顧展は13年ぶりということらしい。年甲斐もなくハシゴしてしまった。


しかし、予想に反してイイ!


実はマグリットさんのこと、ちょっと誤解してた。絵画的イディオムが足りない思いつきの絵。そんな表層的な評価で見下していた。長編作家と比して星新一を不当に低評価する傾向(この表現も誤解を生むな)と言うか。
流石に、ベルギー王立美術館やらマグリット財団やらの全面協力を得て130点も集まると、観応え十分で、いろいろ感じるところあり。

マグリットは、相互に激しく矛盾する要素をキャンバスに散りばめ、観る者の感覚を揺さぶる。
青空の下に夜の街を描き、空中に石を浮かせ、靴に指を生えさせ、無数の山高帽の男を空から降らせることによって。

マグリットは、独特の世界を構成し、激しく脳味噌をかき混ぜ続ける。
ヌードを顔に仕立て、クルマの上に馬を走らせ、恋人たちの顔を布で覆い、空を鳩の形に切り抜くことによって。

それが、厳密な写実テクニックに裏付けられた圧倒的なイメージの洪水として認識されるにつれ、俺は楽しくなってくる。
そう。鑑賞者もまた白紙委任状を得ることができるのだという、ウキウキした感覚を呼びさましてくれるのだ。


無論、シュルレアリストの一人として括っていた自分を恥じていることは、言うまでもない。