souxouquit’s blog

オヤジロッカー souxouquit の蹴音映書網業泉食考♪

関係者のたゆまぬ努力に感謝

御巣鷹の事故から29年。フジテレビの特番を観た。
最新の技術や研究の成果から新たに判ったことがある、という触れ込みである。


お題としての「新事実発覚!」というのは少々疑わしいし、お定まりの視聴率稼ぎだ、ぐらいに思っておいた方がいいかもしれない。事実、後部圧力隔壁が何らかの原因で損傷し、その結果後部に漏れた空気が一気に垂直尾翼を吹っ飛ばしたこと、同時に油圧パイプが破損し油圧による全4系統の操縦機能が完全に失われたことは、随分前からほぼ断定的に判っていた。俺がJAL安全啓発センターに見学に行った7年前には少なくとも、である。
つまり今回の報道は「新事実」の「発覚」などではなく、言ってしまえば、状況から考えてそうとしか説明つかなかったことが最新の技術によるフライトレコーダーの解析によって追認された、ということに他ならない。


しかし、それにもかかわらず、今回の意義は小さくない。
信じられないことであるが、何らかの陰謀によって撃ち落された可能性を面白おかしく論じる輩が未だに居るらしい。そういう無駄な議論に終止符を打ち、(正式には)単なる「整備不良」で打ち切りになっているボーイング社の責任追及等にもっとエネルギーを注ぐべきだ。
そもそも何故整備が不良だったのか。
それは整備士個人のうっかりミスなのか、意図的な怠慢なのか。
整備後の作業品質を、組織としてどうチェックしていたのか。
そこに構造的な課題は横たわっていないのか。
コスト削減や効率性追求と安全保全のバランスは適正なレベルだったのか。
素人が少し考えただけでも、検証しなければならないことは山のようにある。


残念ながら悲惨な事故を起こしてしまうのがヒューマンエラーではあるが、同時に、事故から学び再演防止向けてあらゆるリスクに対策を講じることができるのも、人間による叡智である。


今回のTV特番に関して、辛いことに重い口を開いてくれたり、地道な苦労を重ねフライトレコーダーを解析したりした関係者の方に、敬意を表したい。また、報道機関として、知らない人にも伝えようとすること、新しい解析結果を常にアップデートし続けること、その姿勢にも素直に感謝したい。
月並みだが、風化させないことが残された者にできる唯一のことなのだから。