souxouquit’s blog

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スペイン 1-1 イタリア

2006独逸W杯優勝のイタリア。2010南アW杯優勝のスペイン。
思えばこの2チームが交差したのがEURO2008準々決勝のPK戦だった。俺はその時の衝撃、ブッフォンが世界No.1GKの座をカシージャスに明け渡したことを、昨日のことのように強烈に覚えている。それに呼応するように、堅守を売り物にしたイタリアの守備崩壊もこの時に既に始まっていたのだ。


その後のイタリアは、落ちるところまで落ちる。2010年の南アW杯本大会では、パラグアイニュージーランドスロバキアという“安泰”グループに属しながら、2分1敗でまさかのグループリーグ4位。得点4はともかく、失点が何と5。
栄光のカテナチオ地に堕ちたり。
そんな事態を打開するべく、プランデッリ監督は思い切った策に出る。何しろ今のアズーリには、ビエリもインザーギも出るピエロも居ないのだ。ブロックを作って守ったところで、決定力のある絶対的エースが不在なのである。カテナチオをスッパリ捨て、攻守の切り替えの速い中盤でのプレスを守備の中心に据えたのだ。
この策はズバリ的中する。今ユーロに至る予選では、8勝2分の負けなし。得点20に対し失点何と2!ぶっちぎりの首位である。


凋落の青隆興の赤が交差した2008年から早4年。新旧両雄が再び相まみえる。しかもグループリーグ初戦で。何とゴージャスなユーロだろう。


果たしてアズーリは、今季ユーベに移籍して見事にスクデット獲得の鍵となった大ベテラン、ピルロが気が付くと怒涛のオーバーラップ。虚を突かれたスペインは慌ててカバーに入るも対応が遅れ、そのギャップをこれまた大ベテランのディ・ナターレが突いてゴール。スペインもその直後にセスク・ファブレガスがネットを揺らし、引き分け。


ドローの結果だけ見るとつまらなかったように感じるかもしれないが、どうしてどうして、もの凄く面白い試合であった。
何が素晴らしいって、2008ユーロと2010W杯の連続優勝を成し遂げている名実共に世界最高チームのスペインに、新生アズーリは一歩も引かず、相手の長所を消す「脇を締めた戦い」を挑むのではなく「自分らの良さを前面に出した」オープンな打ち合いになったことだ。つまり大袈裟に言えば「21世紀型アズーリ」と言うべき、進化したチームの出現に俺たちは立ち会った、ということだ。
このドローは、記憶に残るドローになるだろう。


イタリアは、ピルロはともかく、相方のボランチが不安だったのだよ。ガットゥーゾ役がさ。誰かが一人で担っていた、というよりは、最終ラインを3バックにし、中盤の番犬不在の「穴」をチーム全体の中盤のプレスでカバーしていた印象だね。こう書いてくると、イタリアの一番の問題は、絶対的ストライカー不在より「ガットゥーゾ問題」であるような気すらしてくるな。
ともあれ、中盤のプレスだけで王者スペインを抑え込められる訳もない。イタリア人のDNAに刷り込まれた高い守備意識(例えば最後の最後まで飛び込まないで粘り強くブロックを作り続けるところだとか、そうは言っても最後は必ずシュートコースに身を投げ出すところとか、その他もろもろの守備の約束事)の上に、この戦い方は立脚しているんだなぁ。付け焼刃で真似したらボコボコになっちゃうだろうな。とか、つくづく守備の奥深さを思い知らされたよ。


一方の王者スペインだけど、蓋を開けると果たして、セスクを一応トップに据えた「本質的ゼロトップ」だったね。フェルナンドトーレスは、もう何年不調ごっこをやっているんだろう。ビジャも居ないんだから、シッカリしてよ。その代わりと言ってはナンだが、イニエスタの切れキレぶりは、ちょっとやばかったな。もし下馬評どおりスペインが優勝するなら、たぶんイニエスタがMVPで、ついでにバロンドールも持って行くのかもしれないな。


いずれにせよ、伏兵(アズーリには失礼だが、誰も本気で優勝候補に挙げなかっただろ)イタリアの調子が良さそうなので、また楽しみが増えた。
オランダはダメそうなので、ちょっとがっかりしていたところだったんだよ。