souxouquit’s blog

オヤジロッカー souxouquit の蹴音映書網業泉食考♪

カエル

家の一歩外は、異様な光景だった。
ある種「頭の中が真っ白になる」というのは本当だ。何も大袈裟なことではなく。



「日常」と「非日常」のスイッチは、人間そう簡単に切り替わるものではない。「非日常」を味わおうと思ったら、通常の場合、わざわざ「そこ」に身を持っていき、身構えた上で(更に大抵の場合なにがしかの対価を払った上で)エンタテイメントとしての「それ」を味わうというプロセスを経るものだ。つまり「非日常」は、普段は厳重に梱包され日常の世界から完全に隔離されているべきモノで、もしそれを覗きたいと欲求する者が居るなら、その人間にそれ相応の覚悟と厳粛なプロトコルを経ることを強要した上で、ようやく姿を現すことが許されるべき類のモノなのだ。


ところが「それ」は、何の前ぶれもなく、当然当方の心の準備のないタイミングで、無論居るべきでない場所に、平然と存在しているのである。ここ数日。
何しろ、玄関を開けて外へ出た途端に、緑色の背中を見せつけられるのだ。
悔しいが、実にビックリするのである。いやビックリするだけではない。その意味の判らなさに吐き気すら催すに至るのである。
何も道の反対側に渡って初めてシャッターを押すことができたのも、偶然ではない。


俺は、数日前にタオルを配りに来た不動産屋の「ご迷惑をかけます玄関の前に立たせて頂くので」というコトバを、ようやくぼんやりと理解したのであった。