souxouquit’s blog

オヤジロッカー souxouquit の蹴音映書網業泉食考♪

五十嵐

知人に、トンでもない店に連れて行ってもらった。結論から言うと、とても楽しかったんだけどね。


フレンチ界の有名シェフ=五十嵐安雄氏の弟義春氏が一人で切り盛りするカウンター7席の小さな店。下戸だけでの出入りは禁止。おまけに、この大将との真剣勝負に負けると、料理を味わうどころか人生においてかなり凹まされることになる。某有名タレントが泣きながら帰っただの、その手の噂が絶えない店である。


案の定というか俺も、やれオリーブの種を出す皿が違うだろ、やれ小皿を喰うペースが速すぎる、やれ8割方しゃべってるな(せめて「食べ」と「しゃべり」が半々じゃないと料理を出すタイミングが計れないんだと)、やれ「手間がかかってますね」と当たり前のことを言うな、と、まあ、叱られた叱られた。
でもね。この大将、たぶん真剣で、一所懸命で、マジメ過ぎる割りにコミュニケーションが下手なだけなんだ。料理は、おまかせながら15品ほども出てきてたったの7,000円。ワインも、この手の店にしては4,000〜15,000円と高くもない。極めて良心的。そして何より、料理の一品一品に、大将の丁寧な仕事と心遣いが生きているのだ。


俺らも、何の変哲もない箸休めのサラダが感動的に美味かったり途中から楽しくなってきちゃって、ベロベロに飲んじまった。
この日は鴨のフルコース、という感じで、胸肉のユッケから始まって、砂肝、ハツ、モモ肉の炭火焼【写真】等、どれも絶品。最後は鴨南蛮蕎麦まで、この時期の旨い鴨を堪能した。何でも素材の鴨は、野生だそうだ。しかも、散弾銃で仕留めると肉をとどうしても傷つける可能性が高いというので、網で捕獲したモノを使ったという(ということで正確にはジビエではないんだけれど、ジビエよりいい素材ということだ)。どうりで、筋肉質の締まった中にも味わいの深い、まことに美味い肉であった。ああ。未だに炭で炙った鴨の滋味が蘇ってくる。


Mっ気はないので毎月行こうとは思わない(笑)けど、季節々々で行って損はない店だな。