souxouquit’s blog

オヤジロッカー souxouquit の蹴音映書網業泉食考♪

音楽のパワー

高校の同期にMという男が居る。
こいつはスタイリッシュかつ都会的センスの塊みたいなヤツで、野球部のみならずバンドでも大活躍という、まあ同期から見てもやたらめったらカッコいい男だった。腰を痛めて野球を辞めてからは特にバンドで非凡な才能を発揮し、高校生のくせにギターを弾く佇まいがプロみたいにサマになってた。
恥も何もなく告白するのだが、俺のような「遊び」で音楽をかじってた人間からするととても眩しい存在で、大学になって「遅れて音楽の世界に参加した」のもヤツのような存在に対する憧憬が拭い去れなかったからだ。それは、どう控えめに言っても、もう非常に確からしいことなのだよ。


ところでヤツは20数年前にギターを弾くことを自ら封印したんだ、と2年ほど前の同窓会で人づてに聞いた。当時のバンド仲間ですら語りたがらない雰囲気で、俺も触れてはならない事情を遠巻きに感じたものだった。
だから今回のAMH Anniversary Live 2009には、純粋なリスナーの立場で応援に来てくれたんだ。


だがしかし。


昔のバンド仲間から聞くところに拠ると、最近になってヤツギター弾きたいと言い始めたらしいのだ。
もう何だか凄く嬉しいことじゃないのさ。


ギターを「置いた」時も、もの凄い葛藤だとかがあったのだろうけど、その封印を「解き放つ」決意も、きっととても大きかったハズだ。きっとヤツのアタマの奥の方で昔の回路がスパーク起こして、ショートしちゃったんだろう。いい意味で。
その背景には、30年振りにスティック握ったF先輩のことも、奥さんがステージで歌ってたことも、娘さんが演奏中踊り狂っていたこともあったんだろうけどさ。


俺には判るんだ。
だってヤツ、ステージ合間に俺に向かってこんなことを言ったんだ。
おいsouxouquit、随分贅沢なカラオケだと思って歌ってねぇか
お前、いま死んでもいい(ってぐらい楽しい)だろ
羨ましい時は山ほど因縁つけて絡んでくる癖、高校時代から変わってねぇぜ。


俺のような下手糞で未熟者でも、ヤツから見たら音楽に対する姿勢が全くなっちゃいない人間でも、いやだからこそ単純に音楽とつきあっているということ。
音楽の神様は、そういうスタンスでも許してくれるということ。そういう間口に気づいたのだね。というか、そういうのもヤツ自身が許せるようになったんじゃないのか。
随分前に高校の講堂でヤツが魅せてくれた世界を、俺は俺のやり方で愛でていて、それはそれでありじゃんってふと思ってくれたんじゃないのか。
偉そうなことをいいたい訳では、全然ないんだ。ただ、そういうことの背中を押す当事者になったことが、何だかとても嬉しいのよ。


こんな俺だけど、今度是非共演させてくれよ。


こういうのって上手く言えたことがないけど、やっぱり音楽の持つ根源的なパワーって、凄いなぁ。