souxouquit’s blog

オヤジロッカー souxouquit の蹴音映書網業泉食考♪

Björk

気になるアーティストって、居る。ビョークもそんな一人だ。


95年のセカンドアルバムポストの頃から聴き始めたが、捉えドコロのない嬉しい裏切りの連続で、アルバムを経る毎に世界が拡張し、進化していく。終には肉声だけでどこまでの表現が可能か、そんな実験にもわが身を晒す、ある意味非常にアヴァンギャルドな存在である。


そんなビョークのギグに立ち会うのは、初めてだった。
前回の来日公演((2001年12月、オーケストラとコーラス隊を伴ったヴェスパタインツアー。))の評判があまりに良かったので、チケットが取れなかった俺は随分悔しい思いをしたんだ。


アンコールの最後ではコソボ!を連発し、武道館のオーディエンスはそのアジテーションに熱狂した。*1
そんな政治的メッセージが彼女を際立たせているが、しかしそんな一面のみで表現者としての彼女の深みを測ろうとすれば、たちまちミスリードしてしまう。
女、母性、少女。様々なペルソナを宿した表現者が、時にはアグレッシブに他者へ挑みかかり、時には語るように内面を吐露する。魂が響き合うアコースティックな調べから、デス・テクノまで。そのサウンドの振れ幅の大きさが彼女の魅力だ。ちょっとこのスケールの大きさは、他の女性アーティストを寄せ付けない凄みを帯びている。*2


破瓜の叫び。あるいは喉から身体が真っ二つに裂ける。そんなイメージを湧かせる圧倒的な声は、ライブステージでも健在だった。バックミュージシャンやオーディエンスに魂の揺さぶり周波が直接届く分、スタジオワークよりずっと素晴らしかった。
音楽で殺されると本気で思ったのは、生まれてこの方初めてだ。


チャーミングなテロリスト。ビョークを体験できて、本当に良かった。


セットリスト

  1. Brennið Þið Vitar
  2. Earth Intruders
  3. Hunter
  4. Aurora
  5. All Is Full of Love
  6. Pagan Poetry
  7. Unravel
  8. Vertebrae By Vertebrae
  9. Jóga
  10. Desired Constellation
  11. Army of Me
  12. I Miss You
  13. Five Years
  14. Vökuró
  15. Wanderlust
  16. Hyper-Ballad
  17. Pluto

encore

  1. Oceania
  2. Declare Independence

*1:後から知ったが、その後の香港公演では、チベット! ってやってしまって、中国当局からも目をつけられちゃったらしい。
面目躍如、と言うべきか。

*2:だから俺は、彼女を歌姫と形容することに激しく違和感を覚えるな。
ま、コトバの定義にもよるが、彼女は「歌」だけの人でも「お姫様」でもなかろうて。