souxouquit’s blog

オヤジロッカー souxouquit の蹴音映書網業泉食考♪

THE POLICE

ポリスは、80年代を猛スピードで駆け抜けた伝説のバンドである。スター性、芸術性、話題性、どれひとつ取っても「80年代最強のトリオ」と呼ぶのに相応しいバンドであった。


78年のデビュー作アウトランドス・ダムールから、ほぼリアルタイムで俺は彼らを追いかけてきた。1stアルバムにしてセルフプロデュースする程、作曲能力とアレンジ力がずば抜けていた。メンバー個々のキャリアに裏打ちされたしっかりとした演奏能力でパンクムーブメントを見事に利用しつつアタマひとつ抜け出し、音が薄くてもカッコいいレゲエのリズムを取り入れた疾走感あるロックンロールでスタイルをも確立していた。
アルバムのみならず、彼らのライブも圧倒的だった。FMでエアチェック(!)した80年の初来日時のライブテープをまだ大事に持っているけれど、今聴いてもこれはすごい。ロックのプリミティブな衝動が、80年代の時代性と“シンクロ”して、凄まじいエネルギーを発散している。ホントは聴かせてあげたいが変にダビングなんかしちゃうと手が後ろへ回っちゃうので、このアルバムのdisk1を聴いて下さい。彼らのライブの魅力をフルに堪能できます。
ところがそんな飛ぶ鳥を落とす勢いの彼らにも陰りが見える。ツアーの合間に駆け足で録音されたサード、プロデューサーヒュー・パジャムの起用とキーボードアレンジの違和感がバリバリの4枚目は、明らかにバンドのスタジオワークの力が減退している。
そして最後に奮起一発、彼らは金字塔シンクロニシティーを発表する。これにより彼らは、ただのファッショナブルなロックスターではなく本物のアーティストだと世界に証明する。
ところが彼らは、人気絶頂のまま、また、アーティストとしての活動のピークを迎えて「さぁこれから」という時期に、あっという間に解散してしまった。


しまった。生ポリス体験し損ねたじゃねーの。


だもんだから、貪るようにスティングのソロに行ったりしたんだ。けれど、所詮スティングとポリスは別物。ポリスの曲は盛り上がるから演るは演るけど。。。状態で欲求不満が募るばかりだったのだ。


今となっては、ポリスという社会現象をかなり的確に捉えたこのフィルムによって、トップに登りつめたグループの栄枯盛衰を擬似追体験するしかないのか???と思っていた矢先に、今回のワールドツアーである。
20年来の忘れ物を再確認しに、俺はドームに向かったのだ。


前座Fiction Planeに続きTHE POLICEの登場だ。オープニング“孤独のメッセージ”のイントロでお客は総立ち。ドームは熱狂の渦と化した。


ところで、「ドームのコンサート」と言えば「酷い音」の代名詞というぐらい、ドームの音は酷い。アタマの悪い表現で恐縮なのだが、本当にそうなのだから仕方がない。
低音の抜けが悪く、反響がグルングルン回ってしまう。高音の減衰が激しいためか卓で高音をブースとすると、そうしたらそうしたでキンキンして耳が疲れてしまう。
ところがこの日は、トリオということで音数(おとかず)が少ないのと、スティングのヴォーカルを相当強調することで、だいぶ改善されていた。所詮ドームなので「ドームの音」の域を出ないのだが、これまで聴いた中では一番「まし」なミックスであった。


演奏前、最低キーボードはサポートを従えてくるだろう、とか、シンクロニシティーのツアーみたいにコーラスの綺麗ドコロを3人程は、とか期待&予想していたのだが、蓋を開ければ一切サポートなし。時々イヤホンモニターでリズムマシンの同期をとるぐらいで、「基本3人の出音勝負」という大変潔い態度に打って出た。これが「再結成でこれから演っていく基本姿勢そのものだからよろしく」ということなのか、はたまた「小金稼ぎに再結成したんだから別にキッチリ再現しなくても3人で十分だろ」的投げ遣りな態度の結果なのかは、今の時点では計り知れないが。


特に、スチュアートコープランドのドラミングには痺れっ放しであった。きっと最近は音を出していないのだろうから、全盛期だったら如何ばかりかと思ってしまった。ライブで聴くと、奴がリーダーだったことが如実に判る。抜けのいいインテリジェントな音。ドラムだけ聴いていても飽きない特徴的な音。彼のパーマネントな活動のためにもポリスはずっと続けて欲しい、そう思えるようなドラミングだった。


一曲も新曲を演らずとも、1時間45分19曲を殆どMCなしに一気に聴かせる、実にストイックなステージング。派手なライティングや仕掛けと無縁の、シンプルな演出。確かに全盛期からは衰えた部分は多いのだろうが、「今後」に期待も膨らませる内容だった。
20年来の憑き物を落とした俺は、彼らの今後を冷静に見守ることが出来る。


それにしても、豪華な楽曲の数々♪ とても堪能したぜ。


Stewart Copelandのwebsite内の写真たち


セットリストポリス再結成ワールドツアー 2008.2.13 @Tokyo Dome

  1. Message in a Bottle
  2. Synchronicity II
  3. Walking on the Moon
  4. Voices Inside My Head 〜
  5. When the World Is Running Down, You Make the Best of What's Still Around
  6. Don't Stand So Close To Me
  7. Driven To Tears
  8. Hole in My Life
  9. Every Little Thing She Does Is Magic
  10. Wrapped Around Your Finger
  11. De Do Do Do, De Da Da Da
  12. Invisible Sun
  13. Walking in Your Footsteps
  14. Can't Stand Losing You 〜 Reggatta de Blanc
  15. Roxanne

encore

  1. King of Pain
  2. So Lonely
  3. Every Breath You Take
  4. Next to You