souxouquit’s blog

オヤジロッカー souxouquit の蹴音映書網業泉食考♪

オリジナル新月について書きたくなったよ

俺がこのバンドを知ったのは、高校生の時だったかなぁ。
複雑なリズム。メロディアスなギターの音色。繊細で透明感のあるヴォーカル。
ピーター・ゲイブリエル在籍時のジェネシスを思わせる、ひんやりとした手触りとパッションを同時に感じさせる絶妙な楽曲。
これらがやたら大仰なアレンジに纏められてスケール大きく展開する。


俺はメロメロに好きだった。
プログレッシブロックを日本語で演りたい。
俺の作曲活動の方向性は、彼らに出会って決定されたと言っていい。
まぁそんなこと誰も頼んじゃあいないんですけどね。


俺はライブにも立ち会った。今はなき、渋谷の屋根裏である。
演奏技術の凄まじさはもちろん、ステージングの意匠に度肝を抜かれた。他の凡庸なプログレバンドなど、全く霞んでしまった。
これからブレイクすること間違いなし! と確信したのだがしかし、思っていたのは俺だけだったようで。
以来毎月のように『ぴあ』のページを捲るのだが、新月のギグは何処見ても演っていなかった。


多分時代が彼らを租借できなかったんだろう。
キャッチーでカッコいい楽曲が4曲も5曲も並ぶ、無茶苦茶に完成度の高いファーストアルバムは、裏をかえせばセールス的にはセカンドサード用に温存して置くものだろう、と高校生の俺でも計算できた。でもそれを彼らはやらなかった。そういうことだ。
結局僅か1枚のオリジナルアルバムを残して、そして、強烈なギグの印象を残して、彼らはシーンから瞬く間に消えてしまった。


四半世紀ほどの時間が経ち、俺は改めて彼らと出会う。
2005年に発売された5枚組のCDボックスセット新●月●全●史である。
ちなみに、高校の先輩であった森村さんが彼らのレコーディング・ディレクターを務めていたことを知ったのも、極く最近のことだ。


今になって思う。
言い古された言い方だが、やっと時代が追いついたんだろう。
俺はでも、しあわせだ。
彼らの残した足跡を今こうしてゆっくりと辿ることができるから。


焦ることはない。
いつの時代も、素晴らしいものは素晴らしい。