souxouquit’s blog

オヤジロッカー souxouquit の蹴音映書網業泉食考♪

伝わるのか?この感覚の違い

朝、一週間以上待ちに待ったメールが届く。
でもその内容が酷い。
たった5行。曰く、
お訊ねの件、2点とも遅れております。
XXXについては来週中にはチェックを終えたいと考えております。2点目については、来年度の事業計画と一緒に検討しているのでもう少し時間がかかるかもしれません。

絶句。。。
確かに、ネガティブな内容だから、筆が進まなかっただろうことは酌量の余地ありとしてもだ。俺は新入社員の頃から、否、学生の頃から、ネガティブなものは早めに連絡することを心がけていたけどな。
困ったな。この部長、今度俺のボスになりそうな人なんだけどな。。。
まあいいや。
日本を空けることで御社の作業を滞らせる結果になるのでは? という危惧も杞憂だったと解り、ホッとしております。
って皮肉ってやったから。
でも皮肉も通じないんだろうな。


気を取り直して、午後は, ESを訪ねることにした。
彼はもともと俺たちのプロジェクトを一緒に検討していたメンバーで、コンサルタントの立場からweb 2.0的なサービス提供を提唱していたんだが、それじゃあ俺は自分で会社を立ち上げちゃうよってなもんで9ヶ月ほど前に始めちゃったんだ。
1年前のコンサルタントとしての来日時には休日に浅草なんか案内したりもして、公私に亘って仲良くしていたんだけど、今やzvents*1CEOだもんな。偉くなったモンだ。
そんな彼も、昨年の秋頃は資金調達*2にえらく苦労していて、オフィスには怒号が飛び交い受話器を叩きつけて電話を切る、みたいな状態だったと聞いて、ちょっと心配だったんだ。
で、いざ会ってみると、全く元気そうで、とても安心した。
「毎日夜中まで働かされるけど」とはボヤいていたけど、全然嫌そうじゃなかったもんな。「不思議なモンで、秋頃はお金がなくて当然仕事もなて早く帰っていたけど、資金が入った今や無茶苦茶忙しいぜ。あはは。」だって。今年中に、サービス提供エリアを全米に拡大し、またこれまでイベント・トリガのサーチや会場でのサーチに加え、新たなサービス追加も目論んでいると言う。鼻息荒い。
それはそれはいい笑顔だった。


感心したのは、その戦略性だ。
エリア拡大というのは、成長戦略としては誰でも考え付くことだ。発想が簡単ながら、その成長性はせいぜい一次元的。
それに対し、機能の追加は二次元的である。考えてもみよ。対角線も含めた5角形には10の線しか描けないが、6角形には15本描ける。頂点をひとつ増やすだけで5つの新たな「使い方」を創出できるのだ。
そのスピード感を支えているのは、マッシュアップの手法。zvents自体、Google mapやSkypeをページに散りばめてアプリケーションを呼び出して使っている。つまり「今ある優れたアプリは使わせてもらい、自分の強いところに集中する」開発手法だ。彼らの技術的なコンピタンスは、クローリングの歩留まりの良さに尽きる。そこに技術スタッフを集中投下する。何しろCTOは元“Yahoo! Search”のprincipal scientistだ。そういえばエンジニアはインドのバンガロールに30人ほど雇うとも言っていた。そういう意味でも、コアの戦略を描く人間と手を動かす人間の峻別も出来ている。


戦略とは「捨てる」こと。取捨選択にこそ戦略は宿る。そんなことは最近流行のビジネス書の最初の5ページ目に書いてあるハナシだ。
それが我が社ではできない。体質的に、DNAがそうさせない。
何も捨てない。総花的に全て手がけ、結果、何もモノにならない。
どう「捨てさせる」か。それが今後の俺の課題。


何れにせよ、ESの笑顔をみていろいろ考えさせられるとても有意義な一日だった。

*1:zventsを知らない人に。
zventsはサンフランシスコ近郊のベイエリアに特化した「イベントサーチ屋」。最近は地方の新聞社のwebsiteにも積極的に露出しているらしい。例えばボストンのMercuryNewsなど。
資金調達の目処がたった時のニュースはここ
また、個人ブログでもここここで取り上げられている。

*2:要するにVC等の投資家に出資して貰って会社が軌道に乗るまで運転資金をかき集めること。スタートアップのフェーズではCEOの最も重要な仕事のひとつ。