souxouquit’s blog

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ビーイング・デジタル - ビットの時代

もはや古典とも言われる95年*1の著。
作者ニコラス・ネグロポンテ氏は、ニコポンだのネグポンだのとgeekどもから愛着を持って呼ばれるWIREDの創刊者であり、MITメディアラボの上級所長である。
先のCNETの講演でも索かれていて、気になっていたんだ。半分義務感に駆られて、恥ずかしながら初めて読んだ。しかし巷の噂に違わず、10年以上経った今でも「古臭さ」を感じないのは、着眼の先見性とその洞察の深さゆえであろう。寧ろ未だに「予言」に追いついていない現実もある。「From A to B (from atom to bit、アトムからビットへ、物質から情報へ)」というパラダイムシフト。引き起こされる(べき)インターフェイスの劇的な変化。デジタル化の進展が可能たらしめる「デジタル・ライフ」。漸く時代がこの書に追いついた、そんな感すらある。
Web 2.0を騒ぐ前に、必読の書である。


ビーイング・デジタルの予言する変化】
ざっとこれだけの「予言」がこの書には散りばめられている。
この本の存在感は、あと10年は持ちそうだ。

  • デジタルコンテンツの持つ価値
  • メッセージを持たなくなるマスメディアの凋落
  • 情報のパーソナライゼーション
  • 光ファイバによる回線の大容量化とキラーアプリケーションの不在
  • 恣意的に標準を定めることの愚かさ
  • ネットワークのスケーラビリティとオープンネスの重要性
  • デジタル時代の規制のあり方
  • メディアの流動性、ハイパーメディア/マルチメディアの出現
  • 押し付けるメディアから引き出すメディアへの変容
  • 巨大企業の存在意義の消滅
  • 冗長性はいいこと=マシンとのコンカレントなインターフェイスの重要性
  • エージェントによる人間そっくりなインターフェイスの可能性
  • 人間の五感に働きかけるインタフェースと感覚へのフィードバック
  • 音声認識音声合成インターフェイスの可能性
  • ニッチマーケットのビジネスチャンス(ロングテール?)
  • VRと非同期コミュニケーションが齎す時間/距離の克服
  • オンデマンド試聴による「主導権」の消費者への移行
  • 「いつでもどこでも」が齎すライフスタイルの変化
  • 「考える」ことの変化と教育のあり方の変化
  • アートとコンピューターサイエンスの相互進歩

やっぱり読むべきでしょ。

*1:ちなみに95年と言えば、ブラウザが“Mosaic”やら“NCSA”やら言われていたものから“Netscape Navigator”に変わった頃、である。この書の先見性が痛感されよう。