souxouquit’s blog

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JFA審判セミナー2006〜ワールドカップを振り返って

W杯独逸に審判で参加したアセッサーの高田静夫氏(前JFA審判委員長)、主審の上川徹氏、副審の廣嶋禎数氏のお話が聴ける、しかも無料とあって、お台場のパナソニックセンター東京へ行ってきた。流石に、最高の舞台を経験した人のハナシは説得力が違う。


高田氏:審判を引退した後の仕事として、大変名誉であった。

  • 審判アセッサーの仕事(現地でアセスしたのが7試合、TVオブザーバーとしてアセスしたのが17試合、その他)
  • マッサーやメンタルトレーナーまで備えたスタッフ体制
  • 「統一性」と「一貫性」の強調


上川氏:審判に一番必要なのは「毅然性」だと言い切る。

  • ブラッターも最近コメントしたように、2006の審判は「成功」だった。
  • 背景には「疑惑」だらけだった2002の「失敗」がある。1年半かけて取り組んだ“Referee project”が結実した。
    • 主審候補を46名指名、各FIFA大会を通じて研修・選考し23名に絞る
    • 主審と副審をセットで担当させる「チーム制」の導入
    • 年々スピードアップするプレイを的確にジャッジするための、フィットネステストの過酷さ*1
    • 無線でのコミュニケーション・システムの採用
  • 期間中のプログラム
    • 毎日課されるフィットネス・トレーニング*2
  • アセスメント:試合翌日の昼にはビデオ編集まで終わっていてフィードバックされる
    1. ポーランド×エクアドル:「注意」が多すぎて審判の権威が落ちかねない
    2. イングランド×Tトバゴ:幅をもって動け
    3. ドイツ×ポルトガル(3決):重要なプレーの前に予測して位置を先取りしろ


廣嶋氏:
この人は、高校の教師だけある。ハナシが上手い。歳も同じなこのおじさん、すっかりファンになってしまった。

  • 2002年の日韓W杯の際はアジア協会の方針から、一国一人の審判が選ばれることになり(この時選ばれたのは主審の上川氏)、自分にはもう出番はないと思っていた。だがいろいろな幸運な巡り会わせで出場できた。これも一重に諸先輩方の努力によるものだ。感謝している。
  • 自分だったらこうするのに、という思いは、一方非常に強くあった。自分の真後ろに設置されたビデオでオフサイドのシミュレーションを繰り返すテストなども徹底し、非常にハイレベルな判断が出来、「新たな副審の基準作り」に貢献できたと思う。
  • 45歳で定年になるSRを目前に控え、新しい世代への恩返しをしなければという危機感を抱いている。
  • 若い頃よりスピードは衰えたが、現在の方がプレイの予見が鋭い分ジャッジの質が高い。


俺の質問:
今回採用されたチーム制にはデメリットはなかったのか? また、今後はこのチーム制がW杯において定着すると思うか?

  • デメリットは特にない。強いて言えば、アジアのレベルアップのために欧州や南米の審判と組むことが望ましかったかもしれないが、ジャッジの正確性、速さ、チームワークによる質の高さ等のメリットが、それを補って余りある。今後もW杯のスタンダードに定着する可能性は高い。

*1:40m走×6本(主審:6.2s以内、副審:6.0s以内)、150m走(30s以内)+50m歩(35s以内)×20本、など。。。

*2:7つの別メニュー(試合3日前、2日前、前日、当日、試合1日後、試合3日後、その他の日)が毎日平行して行われる