souxouquit’s blog

オヤジロッカー souxouquit の蹴音映書網業泉食考♪

合コンとお見合いの日々

渋谷のとある喫茶店に寄った。リハが平日夜、というバンドに加入している10年以上前のこと、そこは、練習前の暇つぶしと「会社モードからの切替」のためにしばしば使っていたサテンだった。よく潰れずに残っていたよな、という感慨とは別に、いろんなことを思い出してしまった。


トートツだが、バンド探しのプロセスって、恋愛とソックリなのだ。
まず美味しいこと言って「求愛」し、集めたら集めたで主導権争いやバンド内派閥形成があり、最後には、メンバーを引き抜かれただの横取りしただのということもしばしば。そういうドロドロの愛憎劇に塗れた、それはそれは恐ろしい世界なのだ。(あはは。でも半分は真理。)


TAKSへ加入するずっと前、パーマネントにやれるバンドを作りたくて、俺は、積極的に他流試合を仕掛けていた。謂わば合コンやお見合いに積極参加してステディ(死語の世界!)を漁っていた、という訳だ。
ネットもケータイもない当時、メンバー募集と言えば、スタジオの掲示板を見るか、プレーヤーという音楽雑誌の募集欄を虱潰しに見るかのどちらかだった。虱潰しに見て電話をかけまくる。規則正しい生活から程遠いロッカーは、往々にして、何回電話しても掴まらなかった。往復はがきで連絡を、というのもあったな。やっとコンタクトが取れてそれなりにフィーリングが合いそうだと、その段階で初めて、デモテープを交換したりスタジオで取り敢えずセッションしようか、ということになるのだった。
ようやくそうなっても、それからだってかなり大変なんだぜ。
大半の場合、一回限りのセッションでポシャる。技術レベル、音楽の嗜好、リハの頻度、ロケーション、「音楽中心の生活」に対する温度差。断る理由などいくらでもある。50ways to leave your lover。説得力がない? オーケー、じゃあ勘定してみよう。それなりに長続きしたバンドは、10個ほど*1。一回コッキリは倍以上はあるだろうか*2。ちなみにこれは、リーマンになってからの数字。学生時代もトータルで数えると、結局所属したことのあるバンドは20ぐらい、一見さんが同じぐらい、ということになるだろうか。


俺個人としても、時期によっては、複数掛け持ち(所謂「二股で浮気」状態)もあった。また、アマチュアながら、オーディション紛いの「公募」に「応募」して「審査」されたことも1度や2度ではない。随分苦労した、と言えば、苦労はしたよな。
でも、その苦労は、苦しくもシンドくもなかった。
あるバンドでは、コーラスハーモニーの技術を勉強できた。あるバンドでは、作曲のヒントを山ほど頂いた。またあるバンドのリーダーには、聴いている音楽の幅を拡げることがどれほど大切なことか、身をもって教わった。どんなに短期間であっても、それぞれのバンドと共に歩むことで、自分の音楽性は加速度的に拡張していった。それは貴重で刺激的な日々だった。
こういった経験抜きには、今の俺も、TAKSも、ない。


未だにオヤジ・ロックバンド・コンテストの経験を租借しきれていないけれど、確実に言えることがひとつある。それは、TAKSにとっても俺にとっても、これを既に経験してしまった、ということ。もう後戻りはできないのだ。


まだ何の結論も出していないけれど、自らの音楽的成長への飢餓感だけは大切にしたい。

*1:TAKSを除いて最長不倒は、3年半ほど続いた「Rose Bud」というバンドだった

*2:実は数え切れない