souxouquit’s blog

オヤジロッカー souxouquit の蹴音映書網業泉食考♪

ファンタジスタ伸二の「青い天国」

結果は、坪井の集中を欠いたプレーでまたも負け(0-1)。キリンカップで、3チーム中最下位しかも無得点、というのは、ちょっと記憶にない。大事なW杯予選直前のテストマッチという意味を考えれば、結果は褒められたものじゃない。
しかしこの日の収穫は、全く別のところにあった。
久しぶりに来た国立(なでしこジャパン北朝鮮戦以来かも)の、聖火台に赤々と燃える炎と共に、俺はこの試合をきっと忘れないだろう。それは、素晴らしいとしか言いようのない、いやむしろ「神がかった」とさえ言える小野伸二のプレーである。


シュート、ショートパス、大きなサイドチェンジ、攻守の切替の速さ、ポイントとなるプレーでの集中力と精度。優雅で、美しく、それでいて敵には恐ろしく危険なプレーの連続。
溜息の出そうなそのプレーは、全盛期のストイコビッチマラドーナプラティニ、古くはクライフら、フットボーラーの中でも選ばれたホンの少数の天才にしか到達し得ない境地、まさに「フィールド上の絶対的コンダクター」のプレーである。
ほぼ90分間、伸二は、味方10人のみならず敵の11人をもコントロールしているように見えた。多分、若いUAEの選手の半分ぐらいは、勝利の喜びとは別に、伸二とプレーできた90分間のこの上ない幸せを噛み締め、伸二の絶対的ファンとなっていたに違いない(そのうちJでプレーしたい、って言い出す選手もいるかもしれない)。


比べること自体意味がないが、伸二は、中田英寿と別の境地で日本代表の第一人者となった瞬間だった。伸二も、ヒデの孤独感を深く共有したに違いない。惜しむらくは、彼のあの感性に合った前線のプレーヤー(同年代の高原なんかベストマッチなんだけどなぁ)が呼応して、フィールド上の「点」の喜びを「線」や「面」まで拡大することに成功したら。そして精神的に楽な状態で予選本番に臨むことができたら。。。
無いものねだりというものだな。


これだから、サッカー観戦はやめられない。
痺れたぜ。